皆さま、こんにちは。
二宮です。
私は住宅営業として20年以上、多くのお客様の家づくりに携わってきました。
この仕事を長く続けていると住宅の性能やデザイン設備は時代とともに大きく変わっていく一方で家づくりにおける「後悔」の内容は驚くほど変わらないことに気づきます。

断熱性能は飛躍的に向上し耐震性能も進化しました。住宅設備は便利になりデザインの選択肢も豊富です。それでも住み始めて数年後、多くのお客様がおっしゃる言葉には共通点があります。
「もう少し収納を考えればよかった。」
「コンセントの位置をもっと工夫すればよかった。」
「家事動線を優先すればよかった。」
「子どもが大きくなった時のことまで考えていなかった。」
もちろん後悔の内容はご家庭によって異なります。
しかし、その原因をたどると多くの場合は設備や性能そのものではなく「暮らし方を十分にイメージしないまま家づくりを進めてしまったこと」にあります。
家づくりを始めると多くの方はまず間取りや外観デザイン、キッチンやお風呂などの設備、床材やクロスなどに目が向きます。

それらはもちろん大切な要素です。毎日暮らす家だからこそ見た目や使い勝手にこだわることは決して間違いではありません。
しかし、本当に満足度の高い家を建てられたお客様には一つの共通点があります。
それは、「どんな家を建てたいか」よりも先に、「どんな暮らしをしたいか」を考えていることです。
例えば、休日は家族でどのように過ごしたいでしょうか。
リビングでゆっくり映画を楽しみたいのか、庭でバーベキューをしたいのか、趣味の時間を大切にしたいのか。それによって必要な空間や間取りは大きく変わります。
また、お子様が小さい今だけを基準に考えてしまうと数年後には使いにくさを感じることがあります。
小学生、中学生、高校生と成長するにつれて生活スタイルは変化し必要な収納や部屋の使い方も変わっていきます。
さらにお子様が独立した後、ご夫婦二人だけの生活になった時を想像してみることも大切です。
階段の上り下りは負担にならないか。
掃除がしやすい間取りになっているか。
将来的に一階だけでも生活が完結できるようになっているか。
こうした視点を持つことで長く快適に暮らせる住まいへと近づいていきます。
私は打ち合わせの中でお客様に「今の生活」だけでなく「10年後、20年後の生活」を一緒に考えていただくよう心掛けています。

最初はイメージが難しいとおっしゃる方も多いのですが一緒に話を進めていくうちに「子どもが独立した後は夫婦で旅行を楽しみたい」「趣味の部屋が欲しい」「親との同居も将来的には考えられるかもしれない」といった未来の暮らしが少しずつ見えてきます。
その未来を想像できるようになると不思議と間取りや設備の選び方にも一貫性が生まれます。
流行だけで選ぶのではなく自分たちに本当に必要なものが見えてくるのです。
家は完成した瞬間がゴールではありません。
むしろ、本当のスタートは住み始めてからです。
毎日の食事、家事、子育て、趣味、家族との時間。その一つひとつを積み重ねながら何十年も暮らしていく場所だからこそその時だけの理想ではなく人生全体を見据えて考えることが後悔しない家づくりにつながります。

これまで数多くのお客様を担当してきた経験から家づくりで後悔を減らす一番の方法は「家を建てること」を目的にするのではなく「どんな人生を送りたいか」を考えることだと感じています。
これから家づくりを考える方にはぜひ間取りや設備を見る前にご家族で将来の暮らしについてゆっくり話し合う時間をつくっていただきたいと思います。
次回は私が20年以上の住宅営業で実際に見てきた「住んでから後悔しやすいポイント」を具体例を交えながらご紹介します。少しでも皆さまの家づくりの参考になれば幸いです。