皆さま、こんにちは。
二宮です。
前回は、「どんな家を建てたいか」ではなく、「どんな暮らしをしたいか」を考えることが、後悔しない家づくりにつながるというお話をしました。
今回は、私が20年以上住宅営業として多くのお客様と家づくりに携わる中で、実際によく耳にしてきた「住んでから後悔しやすいポイント」についてお伝えしたいと思います。

住宅の性能や設備は年々進化していますが、住み始めてから感じる後悔の内容は、昔も今もあまり変わりません。
もちろん、ご家族によって後悔するポイントはさまざまです。しかし、多くのお客様のお話を伺っていると、いくつか共通するテーマが見えてきます。
まず最も多いのが、「収納」に関する後悔です。
打ち合わせの段階では、「これだけあれば十分でしょう」と考えていた収納も、実際に生活が始まると「もう少し収納が欲しかった」と感じる方が少なくありません。
その理由は、暮らしが始まると想像以上に物が増えていくからです。

季節ごとの衣類や布団、扇風機やヒーターなどの家電、クリスマスツリーやひな人形といった季節用品。さらに、お子様が成長すれば、教科書や部活動の道具、自転車用品、思い出の品なども増えていきます。
また、最近ではキャンプ用品やゴルフバッグなど趣味の道具を収納する場所に困るというご相談も多くなりました。
収納は「広ければ良い」というものではありません。
どこに、何を、どれくらい収納するのかを具体的にイメージしながら計画することが大切です。
例えば、玄関にはコートやベビーカー、アウトドア用品を置くのか。キッチンには食品のストックや調理家電をどれくらい収納するのか。洗面室にはタオルや洗剤のストックをどこに置くのか。
こうした日常の暮らしを思い浮かべながら考えることで、使いやすい収納計画につながります。

次に多いのが、「生活動線」に関する後悔です。
図面を見ているときには気付きにくいのですが、毎日の生活が始まると、小さな動きの積み重ねが大きな違いになります。
例えば、洗濯機から物干し場までの距離が長く、毎日の洗濯が負担になってしまうケース。
キッチンとダイニングの配置が使いにくく、料理を運ぶたびに遠回りをしなければならないケース。
玄関から洗面室までの動線が悪く、外から帰ってきても手洗いまでの動きが不便に感じるケース。
一つひとつは些細なことに思えるかもしれませんが、毎日何度も繰り返す動作だからこそ、暮らしやすさに大きく影響します。
間取りを考える際は、「部屋の広さ」だけでなく、「どのように移動するのか」という視点で考えることも非常に重要です。

そして、もう一つ忘れてはいけないのが、「将来の暮らしの変化」を見据えることです。
家づくりをされる多くの方は、お子様が小さい時期に計画を始めます。そのため、どうしても今の生活を基準に考えてしまいがちです。
しかし、お子様は成長し、やがて独立していきます。
子ども部屋は将来どのように使うのか。
ご夫婦二人だけになった時でも暮らしやすい間取りになっているか。
年齢を重ねた時に階段の上り下りが負担にならないか。
将来的に一階だけでも生活が完結できるようになっているか。
こうした少し先の未来を考えておくことで、長く快適に住み続けられる家になります。

私が打ち合わせでお客様とお話しする際には、「今」だけではなく、「10年後、20年後の暮らし」をできるだけ一緒に想像するようにしています。
すると、「趣味を楽しめる空間が欲しい」「親との同居の可能性も考えておきたい」「子どもが独立したら夫婦でゆったり過ごしたい」といった将来のイメージが少しずつ見えてきます。
その未来を共有できると、不思議なことに間取りや設備選びにも迷いが少なくなります。
流行や見た目だけではなく、自分たちに本当に必要なものを判断できるようになるからです。
住んでからの後悔は、決して特別な失敗から生まれるわけではありません。
毎日の暮らしを少し想像すること、そして少し先の未来まで考えてみること。その積み重ねが、後悔の少ない家づくりにつながっていくのだと、私はこれまで多くのお客様から学ばせていただきました。

次回は、こうした後悔をできるだけ減らすために、私たちが家づくりの現場で大切にしている考え方や、お客様との打ち合わせで実際にお伝えしているポイントについてご紹介したいと思います。少しでも皆さまの家づくりのお役に立てれば幸いです。